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名古屋地方裁判所 平成6年(ワ)1811号 判決 1998年3月18日

名古屋市昭和区鶴舞二丁目二番七号

原告

株式会社エヌケーシー

右代表者代表取締役

加村光男

右訴訟代理人弁護士

籏進

同右

加藤倫子

同右

鈴木誠

同右

森田尚男

右補佐人弁理士

佐藤強

東京都港区元赤坂一丁目六番六号

被告

綜合警備保障株式会社

右代表者代表取締役

漆間英治

右訴訟代理人弁護士

永井津好

同右

舟橋直昭

同右

高橋譲二

同右

木村静之

右訴訟復代理人弁護士

三木浩太郎

東京都千代田区大手町一丁目五番五号

被告

株式会社富士銀行

右代表者代表取締役

橋本徹

右訴訟代理人弁護士

佐治良三

同右

太田耕治

主文

一  被告らは、別紙イ号目録記載のシャッタの自動開閉システムを使用してはならない。

二  被告らは、別紙イ号目録に記載されたシャッタ、S-八一五制御装置、シャッタ制御盤及びパッシブセンサ四個を廃棄せよ。

三  被告らは、原告に対し、平成元年一一月二九日から前項の廃棄済みに至るまで、各自、一か月金六〇〇〇円の割合による金員を支払え。

四  訴訟費用は、被告らの負担とする。

事実及び理由

第一  請求

主文と同趣旨

第二  事案の概要

一  争いのない事実等

1  原告は、次の特許権(以下、「本件特許権」といい、その特許発明を「本件特許発明」という。)の特許権者である。

発明の名称 シャッタの自動開閉システム

出願 昭和五八年九月一九日(特願昭五八-一七三六二六)

出願公開 昭和六〇年四月一五日(昭六〇-六五八八六)

出願公告 平成元年一一月二九日(平一-五六二三六)

登録 平成四年一〇月一四日(特許第一七〇一七七四号)

特許請求の範囲

「事業所の出入口に設置されたシャッタと、前記事業所内の人の有無を検索し人を検知した時に検知信号を出力する検索用センサと、前記シャッタの開閉時刻が記憶された記憶要素を備えその記憶された開放時刻及び閉鎖時刻に前記シャッタに開放動作及び閉鎖動作を夫々行わせるとともに前記閉鎖時刻において前記検索用センサが検知信号を出力している時には前記シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ若しくは閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせその後一定時間以内に前記検索用センサが検知信号を消失した時には前記シャッタに閉鎖動作を行わせ前記シャッタの閉鎖完了後所定時間内に前記検索用センサが検知信号を出力した時にはシャッタに開放動作を行わせる制御装置と、この制御装置と連係し前記シャッタが指定時刻までに開放及び閉鎖完了しなかった場合に所定の管理場所に異常信号を送信する通報装置とを具備してなるシャッタの自動開閉システム。」

2  本件特許権の特許請求の範囲を構成要件に分けると、次のとおりとなる。

A 事業所の出入口に設置されたシャッタと、

B 前記事業所内の人の有無を検索し人を検知した時に検知信号を出力する検索用センサと、

C 前記シャッタの開閉時刻が記憶された記憶要素を備えその記憶された開放時刻及び閉鎖時刻に前記シャッタに開放動作及び閉鎖動作を夫々行わせるとともに

D 前記閉鎖時刻において前記検索用センサが検知信号を出力している時には前記シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ若しくは閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせ

E その後「定時間以内に前記検索用センサが検知信号を消失した時には前記シャッタに閉鎖動作を行わせ

F 前記シャッタの閉鎖完了後所定時間内に前記検索用センサが検知信号を出力した時にはシャッタに開放動作を行わせる制御装置と、

G この制御装置と連係し前記シャッタが指定時刻までに開放及び閉鎖完了しなかった場合に所定の管理場所に異常信号を送信する通報装置と

H を具備してなるシャッタの自動開閉システム。

3  被告株式会社富士銀行(以下「被告富士銀行」という。)は、遅くとも本件特許の出願公告がなされた平成元年一一月二九日より、別紙イ号目録記載のシャッタの自動開閉システム(以下「イ号装置」という)を設置し、使用している。

イ号装置のうち、アマンド制御装置は、被告綜合警備保障株式会社(以下「被告綜合警備」という)の製品である。被告綜合警備は、被告富士銀行にアマンド制御装置を貸し渡し、そして、被告富士銀行金山橋支店の警備保障業務を請け負い、その契約にしたがって、イ号装置の維持・管理・運用をしている。

検証の結果と弁論の全趣旨によると、イ号装置は、イ号目録記載のとおりであると認められる。

4  イ号装置は、本件特許発明の構成要件A、B、Hを充足している。

二  本件は、イ号装置が本件特許権を侵害するとして、侵害の停止と、物件の廃棄を求め、本件特許権もしくはその仮保護の権利に基づき、平成元年一一月二九日からイ号装置を廃棄するまで、一か月金六〇〇〇円の割合による損害の賠償を求めた事案である。

三  争点

1  本件特許発明の技術的範囲は実施例記載のものに限定されるか。

(被告らの主張)

本件特許の請求の範囲には、「閉鎖時刻」、「一定時間」、「所定時間」、「指定時刻」等の各文言が記載されているが、これらはいずれも抽象的かつ機能的な表現であって、その意味するところは必ずしも明らかでなく、それだけでは技術的課題の解決を示したものとは言えず、いわゆるファンクショナルクレームに該当するから、その技術的範囲は、明細書記載の実施例に限定して定められなければならない。

しかも、本件特許の出願前において、被告綜合警備が旧太陽神戸銀行巣鴨支店(現さくら銀行千石支店巣鴨西特別出張所)に設置し、運用していたシャッタの自動開閉システムがあり、日本国内において公知公用であったものであるから、本件特許発明の技術的範囲は、実施例に限定して定められるべきである。

(原告の主張)

本件特許発明の構成要件は、特許の目的、詳細な説明中の実施例などを参考として、その意味するところを合理的・具体的に解釈することができ、技術的課題の解決は示されているということができるから、その技術的範囲を明細書記載の実施例に限定して定める必要はない。

被告らが主張する被告綜合警備の設置したシステムは、本件特許発明の構成要件に該当する構成ではなく、本件特許発明は、その出願前、日本国内において公知公用だったものではない。

2  構成要件Cについて

イ号装置が、構成要件Cの内、「前記シャッタの開閉時刻が記憶された記憶要素を備えその記憶された開放時刻に前記シャッタに開放動作を行わせる」構成を有すること(イ号目録「構造の説明」(3)、「作用の説明」(1)、(2)参照、以下、特に断らない限り、番号は、「作用の説明」欄のものを示す。)は、当事者間に争いがない。

(原告の主張)

構成要件Cの「閉鎖時刻に…閉鎖動作を…行わせる」は、閉鎖時刻以後にシャッタを閉鎖するにあたって、人を閉じ込めないようにするために、検索用センサの信号の出力などに応じて、構成要件Fを特徴とするD、E、Fなる動作を行わせる機能を有することを前提とする要件であり、イ号装置は、右構成要件を充足する。

閉鎖時刻において、検索用センサが検知信号を出力しない場合についてのイ号装置の構成(イ号目録(3)の<1>)は、パッシブセンサを利用するに当たり検索時間を設けるという一般的技術を除いて考えれば、本件特許発明の構成と何ら異ならないというべきである。

すなわち、検索用センサとして利用されるものとしては、パッシブセンサ(熱線センサ、赤外線センサ)、超音波センサ、マイクロ波センサなどがある。そして、検索用センサとして、パッシブセンサを利用する場合に、五秒間とか一〇秒間といった検索時間を設ける方法は、パッシブセンサの人の有無のうちの無に関する検知確率が低いという欠点を補うための技術であり、本件特許出願当時、当業者に広く知られた一般的な方法である。

被告らは、イ号装置は、検索時間を設けるという技術を用いているために、本件特許発明とは動作が異なるから、本件特許発明の技術的範囲に属さない旨主張しているが、その違いは、本来除いてその対比がなされるべき一般的技術を用いていることのみを理由とするものであり、検索時間の採用によって、本件特許発明の構成要件の持つ意義が何ら失われるものではないから、そのことを理由、として、イ号装置が、本件特許発明の技術的範囲に含まれないということはできない。

(被告らの主張)

本件特許発明では、シャッタが、「閉鎖時刻に」「閉鎖動作」を行うのであり、検知信号が出力しない以上、右閉鎖時刻にシャッタが直ちに閉鎖動作を開始するのに対し、イ号装置においては、右閉鎖時刻が到来しても、一次検索が開始されるにすぎず、シャッタは、閉鎖動作を行わない。そして、右閉鎖時刻以後、「一〇秒間検知信号が全く出力されない」という要件が整って、はじめて閉指令信号が出力されるという構成になっている。

原告は、出願に際して、「閉鎖時刻には閉鎖動作を行わせず、一〇秒間連続して検知信号が出力しないことを確認してから閉鎖動作を行わせる」という構成を意識的に除外し、「閉鎖時刻に閉鎖動作を行わせる」との構成に限定して、特許請求の範囲を確定したから、右限定事項のみが、その技術的範囲に属し、除外事項は属さない(意識的除外論)。したがって、イ号装置は、「閉鎖時刻に前記シャッタに…閉鎖動作を…行わせる」との構成を欠くので、構成要件Cを充足しない。

本件特許請求の範囲には、「人の有無を検索し人を検知した時に検知信号を出力する検索用センサ」とのみ記載され、単に「人の存在を検知したときに検知信号を出力する」技術思想のみが開示されているのであり、これ以外の技術思想について触れるところはない。まして、「検索時間を設定して、時間をかけて人のいないことを検索する」といった技術思想については、全く開示されていないから、右技術思想にまで、本件特許発明の技術的範囲が及ぶということはできない。

また、イ号装置の一〇秒間検索は、パッシブセンサ自体の特徴や機能などではなく、シャッタの開閉システムの特徴ないし機能そのものである。すなわち、イ号装置は、サービスコーナー内に利用客が残留している限り、利用客を閉じ込めず、利用客の安全と退出を確保するという効果を達成するために、一〇秒間検索を繰り返し実施し、一〇秒未満の小刻みな間隔で検知信号が出力している限り、いつまでもシャッタの閉鎖動作を行わせないという全く独自の技術思想に基づいて設計されているのであり、一〇秒間検索を行う結果、本件特許発明とは全く異なるシャッタの開閉システムを有することは明白である。これらの相違点は、「パッシブセンサに検索時間を設ける一般的な方法」として説明できるものではない。

3  構成要件Dについて

(原告の主張)

(一) イ号目録の(3)の<2>、(4)は、構成要件Dを充足する。

(二) 本件特許発明では、「閉鎖時刻において、検索用センサが検知信号を出力している時には、シャッタの閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせる。」ことがあるから、シャッタの閉鎖動作中の時間が、「閉鎖時刻において」に含まれることは明かである。

(三) 本件特許発明の構成要件Dは、「若しくは」という接続詞によって、次のとおりD1とD2とに区別できる。

D1「前記閉鎖時刻において前記検索用センサが検知信号を出力している時には前記シャツタの閉鎖動作の起動を禁止させ」

D2「前記閉鎖時刻において前記検索用センサが検知信号を出力している時には閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせ」

本件特許発明において、D1の「シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ」とD2の「シャッタの閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせ」とは、シャッタの動作が全く異なるので包括的な表現によってまとめられない並列的概念であり、かつ、いずれも発明の目的達成上、必須の要件である。

そこで、発明者は、D1とD2を「若しくは」でもって選択的であると明確に表示して、特許申請をなし、特許庁が特許としたものであるから、D1とD2を選択的なものとして主張することは、何ら違法でも不当でもないというべきである。

(被告らの主張)

(一) 本件特許発明においては、「閉鎖時刻において検知信号を出力している時には、シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ」ることからすると、遅くとも閉鎖時刻の直前から検知信号の有無を確認しなければ、「閉鎖時刻」の時点で閉鎖信号の出力を禁止することができない。よって、本件特許発明においては、閉鎖時刻前から残留者の有無を検索し、閉鎖時刻に至って検知信号が出力しているときは、シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させるという構成であるのに対し、イ号装置では、閉鎖時刻前は、シャッタの開閉のための検索を行わず、閉鎖時刻以降、一〇秒間検知信号が全く出力しないというシャッタ閉鎖のための消極的要件が整ったときに閉指令信号が出力され、シャッタが閉鎖動作を開始するという構成である。したがって、イ号装置では、閉鎖時刻において検知信号出力しているときにシャッタの閉鎖動作の起動を禁止させるという構成を有しない。

もっとも、本件特許発明においては、「閉鎖時刻において検知信号を出力している時に閉鎖動作を途中で停止させ」という文言があることからすれば、時間的な幅を認めることができないわけではないが、「閉鎖動作」が途中で停止し得る時間、せいぜい閉鎖動作に要する時間(一分間)程度でしかない。つまり、「閉鎖時刻において」とは、閉鎖時刻の直前から約一分間程度の時間内に限られるものである。

その場合、イ号装置においては、閉鎖時刻において検知信号を出力しているときにシャッタの閉鎖動作の起動を禁止するだけではなく、その後においても、右消極的要件が満たされるまで、一〇秒間検索を何度も繰り返し行い、たとえ検知信号が一時的に消失しても、右消失した時刻から一〇秒間未満のうちに検知信号が出力する状態が繰り返されれば、延々とシャッタの閉鎖動作の起動を禁止させる状態が継続し、その結果、閉鎖時刻から遥かに遅れて閉鎖動作を開始することがあり得る。すなわち、イ号装置は、「閉鎖時刻において前記検索用センサが検知信号を出力している時には前記シャッタの閉鎖動作を禁止させ若しくは閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせ」という要件を具備していないから、構成要件Dを充足しない。

(二) 構成要件Dには、D1とD2の二種類のシャッタの作動が必須構成要件として記載されているのであるから、この二種類の作動をいずれも具備することが、右構成要件を充足するための必須要件となる。

しかも、D1は、閉鎖時刻に検知信号が出力している事態に対応するシャッタの作動であり、D2は、閉鎖時刻後シャッタが閉鎖中に検知信号が出力した際のシャッタの作動であって、異なる状況に応じて、それぞれ異なるシャッタの作動システムが用意されているのであるから、これら二つの異なる作動システムをともに具備しなければ、右構成要件を充足するとはいえない。現に、本件特許公報には、右二つの状況に応じて異なる作動を行うことが明言されており、この点からも、右二つの作動システムを具備することが、右構成要件を充足するための必須要件であることは明らかである。

4  構成要件Eについて

(原告の主張)

(一) イ号目録の(5)は、構成要件Eを充足する。

「一定時間」の設定の方法としては、色々な方法を考えることができる。例えば、シャッタ閉鎖時刻から五分、あるいは、閉鎖動作が途中で停止した時点から一〇分というように、ある起点となる時刻を決め、経過時間を記憶要素に記憶させることによって一定時間を決める方法、あるいは、シャッタ閉鎖時刻を午後七時五分と設定し、午後七時一〇分という時刻を直接記憶要素に記憶させることによって「一定時間」を決める方法などが考えられるのであるから、必ずしも経過時間が記憶要素に記憶されないかぎり「一定時間」の要件が満たされないものではない。

(二) 被告ら主張の(二)は、イ号装置がパッシブセンサを用いるときには検索時間を設けるという一般的技術を説明しているにすぎない。

(三) イ号装置が、第一回目のシャツタ閉鎖動作中に検索用センサが検知信号を出力し、閉鎖動作を途中で停止させて、開放動作を行わせた後、第二回目の閉鎖動作中に検索用センサが検知信号を出力したときに、閉鎖動作を途中で停止させて開放動作を行わせる構成、そして、第三回目、第四回目の閉鎖動作中に検索用センサが検知信号を出力したときに閉鎖動作を途中で停止させて開放動作を行わせる(上下運動を繰り返す)構成を有しているとしても、本件特許発明の技術的範囲に属する。

原告が本件特許を出願した当時のシャッタ自動開閉システムにおいて、シャッタ閉鎖動作中に、検知装置が利用者を検知したときにシャッタを開放し、開放後に検知信号を消失したときにはシャッタを閉鎖すること、そして、二度目のシャッタ閉鎖動作中に検知装置が利用者を検知したときに再度シャッタを開放するといったシャッタの上下運動を繰り返すという方法は、一般的な方法であり、この発明当時の技術水準、発明当時の技術課題を前提とすれば、本件特許の構成要件D、E、Fについて、繰り返し動作を特に排除する旨が明記されていないことは、シャッタ上下動の繰り返しを禁止するものではないと解釈すべきである。

そして、繰り返しを禁止する、すなわち人を検知しながらも閉鎖動作を完了させる(二度目の閉鎖動作中に検索用センサが検知信号を出力した時には、閉鎖動作を途中で停止させることなく閉鎖動作を完了させる)と理解しなければならないという解釈は、残留者が事業所内にいる場合にこれを閉じ込めてしまうようなことがないシャッタの自動開閉システムであるという本件特許発明の目的にも添わないというべきである。

(被告らの主張)

(一) 本件特許発明では、閉鎖時刻において、シャッタの閉鎖動作を禁止させた場合、及びシャッタの閉鎖動作を途中で停止させて開放動作を行わせた場合、閉鎖時刻を始期とし、指定時刻以前に設定された時刻を終期とする一定時間以内に限って、検知信号が消失した時にシャッタに閉鎖動作を行わせるものである。

これに対し、イ号装置では、閉鎖時刻以降、小刻みに検知信号が出力され、一〇秒間全く検知信号が出力しないという要件が満たされない限り、一〇秒間検索を何度も繰り返し行い、一〇秒間にわたって全く検知信号が出力されない条件が整ってはじめて、第一回閉指令信号が出力し、シャッタに閉鎖動作を行わせる。したがって、イ号装置においては、閉鎖時刻より遥かに遅れて閉鎖動作が行われることがあり得るから、「(閉鎖時刻を始期とする)一定時間以内に前記検索用センサが検知信号を消失した時には前記シャッタに閉鎖動作を行わせ」という要件を充足しない。

(二) また、本件特許発明では、「検知信号が消失した時に」「シャッタに閉鎖動作を行わせ」(構成要件E)る構成であるのに対し、イ号装置では、検知信号が消失したとしても、直ちにシャッタが閉鎖動作を開始することはない。すなわち、イ号装置においては、一次検索を行っている間は、検知信号が消失することがあっても、一〇秒間にわたって全く検知信号が出力されないという条件が整わない限り、シャッタは閉鎖動作を行わないし、一次検索終了後(第一回閉指令信号出力後)も、「検知信号が消失した」からではなく、閉指令信号が出力されたから、シャッタが閉鎖動作を行うのである。したがって、イ号装置は、「検知信号が消失した時に」「シャッタの閉鎖動作を行わせ」る構成に該当しない。

なお、本件特許権の特許請求の範囲には、単に「消失した時に」「閉鎖動作を行わせる」とだけ記載され、「検知信号が消失すれば直ちに閉鎖動作を行わせる」技術思想のみが開示されており、「検知信号が消失しても直ちに閉鎖動作を行わせず、一〇秒間にわたって検知信号が全く出力しない場合にシャッタに閉鎖動作を行わせる」とか、「閉鎖中のシャッタがいったん全開した後、最初の閉指令信号の出力により、閉鎖動作を行う」との各技術思想に関する記載は、本件明細書のどこにも存在しない。

原告は、出願に際して、右各技術思想を意識的に除外して「検知信号が消失した時に」「閉鎖動作を行わせる」事項に限定して特許請求の範囲を確定し、権利を取得したものであるから、右限定事項のみがその技術的範囲に属することになるというべきである(意識的除外論)。

(三) 次に、本件特許発明では、「消失した時に」「閉鎖動作を行わせる」が、その後検知信号が出力しても、シャッタが上昇する(上下運動を繰り返す)との構成を有していない(かかる動作を行う旨の記載は、構成要件に開示されていない。)。

これに対し、イ号装置では、シャッタの閉鎖動作中に検知信号を出力すると、開放動作を行わせ、シャッタが全開した後、最初の閉指令信号で再び閉鎖動作を行い、閉鎖途中で検知信号出力すると、またも上昇し…というように、第一回閉指令信号出力後一八二秒以内なら、何度でも上昇→下降→上昇→…を繰り返す。

ところで、本件特許発明は、「シャッタの自動開閉システム」とされており、各種の装置の結合からなる「物」の発明のカテゴリーに属するものの、その特許請求の範囲は、一定の目的に向けてシャッタの開閉を経時的に関連のある数個の行為により実施するという「方法」の発明と密接に結びついたものとなっていて、実質的には「方法」の発明と言うべきであり、講学上の「プロダクト・バイ・プロセス」(Product-by-Process)の一種であるということができる。

そして、プロダクト・バイ・プロセスの技術的範囲の解釈(侵害の有無の判断)に際しては、クレームに記載されたプロセス(方法)を文言どおり厳密に解釈し、そのプロセスによって得られたプロダクト(物)に限定して技術的範囲を定めるというのが確立された見解である。

したがって、構成要件Eにシャッタの上下動を繰り返す旨の記載がなく、発明の詳細な説明にもこれに関する技術的思想の開示が無い以上、シャッタの上下動を繰り返す構成を本件特許発明の技術的範囲に含ませようとするのは、許されない。

加えて、原告は、上下動を繰り返す旨の構成を意識的に除外して、本件特許権を取得したのであるから、右構成が、本件特許発明の技術的範囲に属するとすることはできない(意識的除外論)。

5  構成要件Fについて

(原告の主張)

「所定時間」とは、シャッタの閉鎖完了後、検索用センサが検知信号を出力したときにはシャッタに開放動作を行わせるために設定する時間である。

そして、イ号装置は、シャッタ全閉後、三分以内にパッシブセンサが残留者を検知して、アマンド制御装置がシャッタ制御盤に対してパッシブセンサ作動信号を出力すると、シャッタ制御盤は、シャッタに開放動作を行わせ、シャッタが全開するという構成である(イ号目録(6))から、構成要件Fを充足している。

なお、「指定時刻」は、所定の管理場所に異常信号を送信する時刻であり、指定時刻に電源を切るというのは構成要件ではないから、これを理由として、イ号装置が構成要件Fを充足しないということはできない。

(被告らの主張)

本件特許発明では、シャッタの閉鎖完了後、所定時間内に検知信号出力した時にシャッタに開放動作を行わせるが、所定時間内であっても、指定時刻を過ぎると電源を切ってしまうので、開放動作を行わせない。

これに対し、イ号装置では、シャッタ全閉後三分以内に検知信号出力すると、指定時刻に関係なく、シャッタに開放動作を行わせる。したがって、イ号装置は、本件特許発明の「前記シャッタの閉鎖完了後所定時間内に前記検索用センサが検知信号を出力した時にはシャッタに開放動作を行わせる」という要件を具備しないから、本件特許発明の技術的範囲に属さない。

6  構成要件Gについて

(原告の主張)

アマンド制御装置は、指定時刻までにシャッタが全開.全閉していないときは、監視センタに警報を送信する(イ号目録(7))。したがって、イ号装置は、本件特許発明の構成要件Gを充足する。

なお、「指定時刻」とは予め設定された時刻であるが、指定時刻に電源系統をオフにして、シャッタの電源を切ることは、構成要件になっていない。

(被告らの主張)

本件特許発明は、指定時刻にはシャッタの電源を切り、残留者検知信号を侵入者検知信号に切り換えるという構成であるのに対し、イ号装置は、指定時刻に関係なく、シャッタの開閉動作を行い、残留者検知信号を出力するという構成である。

よって、イ号装置は、本件特許発明の「指定時刻までに開放及び閉鎖完了しなかった場合に」という要件を具備しないから、本件特許発明の技術的範囲に属さない。

7  損害

(原告の主張)

原告は、本件特許権の実施品であるシャッタの自動開閉システムを販売しているが、被告らは、本件特許権の登録前の仮保護の権利および登録後の本件特許権を侵害することを、少なくとも過失によりこれを知らないで、遅くとも平成元年一一月二九日からイ号装置を使用している。本件特許権の使用料は、一か月当たり金六〇〇〇円を下らない。

第三  当裁判所の判断

一  実施例限定説について

1  まず、被告らは、本件特許の請求の範囲の記載は機能的・抽象的であり、また、本件特許発明は、その出願前、日本国内において公知公用であったから、本件特許発明の技術的範囲は、実施例記載のものに限定される旨主張するので、この点について、検討する。

(一) 被告らは、本件特許発明の構成要件のうち、「閉鎖時刻」、「一定時間」、「所定時間」、「指定時刻」等の各文言はいずれも抽象的・機能的な表現であって、その意味するところが必ずしも明らかではないとして、いわゆるファンクショナルクレームに該当する場合は明細書の実施例に限定して技術的範囲を定めなければならない旨主張する。

(二) 確かに、被告らの指摘する「閉鎖時刻」、「一定時間」、「所定時間」、「指定時刻」等の文言は、実施例に記載された一七時五五分とか、一八時〇〇分というような、具体的な特定の時刻、時間に限定されるものではない点で、抽象化された一般的概念ではある。

しかしながら、クレームの記載は、詳細な説明に記載した発明の必須構成要件を簡潔に記載したものであるから、その記載は、一般的・上位概念的記載となるのが通常であり、このことは、実施例に化体された技術思想を抽出したものが発明である以上、むしろ、当然のことである。

被告らは、「閉鎖時刻」、「一定時間」、「所定時間」、「指定時刻」等の文言の意味するところが明らかでないと主張するが、後記認定のとおり、詳細な説明に記載された発明の目的、作用効果や実施例を勘案して、その具体的内容を明らかにすることができるのであって、当業者にとって明らかな概念であり、抽象的記載であっても、その技術的内容が不明なものではない。

(三) 次に、「閉鎖時刻」、「一定時間」、「所定時間」、「指定時刻」にいう時刻、時間は、本件特許発明のシステムが、所定の制御を行うための基準となる時刻、時間を指定するものであって、それらの時刻、時間自体が何らかの機能を有するものではないから、これらの文言をもって、機能的な表現であるとする被告らの主張は、失当である。

以上のとおりであるから、本件特許請求の範囲の記載は機能的・抽象的であるから本件特許発明の技術的範囲は実施例記載のものに限定されるべきであるとの被告らの主張は、そのような場合に実施例に限定されるべきであるとの見解の当否について判断するまでもなく、採用することができない。

(四) 公知公用について

被告らは、本件特許発明は、その出願前、日本国内において公知公用であった旨主張し、その根拠として、本件特許発明の出願前に旧太陽神戸銀行巣鴨支店に設置、運用された「シャッタの自動開閉システム」があったことを挙げている。

しかしながら、被告らの主張は、被告綜合警備製造の「シャッタの自動開閉システム」が旧太陽神戸銀行巣鴨支店に設置、運用された事実を述べるだけであり、右システムが本件特許発明の技術的範囲に属するとの点について主張、立証をしないし、その設置、運用が公然と行われたかについても明確な主張をしていない。

なお、「シャッタの自動開閉システム」が、不特定多数の顧客が出入りするキャッシュコーナー内に設置、運用されたものであるとしても、そこに出入りする顧客が公然と知り得る事項は限られている。すなわち、顧客は、キャッシュコーナーにしか立ち入らないのであるから、「シャッタの自動開閉システム」の機械装置を見ているわけではなく、顧客が知るのは、せいぜい、キャッシュコーナーに露出して設置されている物品(スイッチ、監視カメラ等)にすぎず、「シャッタの自動開閉システム」の具体的構成、制御装置の具体的制御手順等を知るものではないと考えられる。もちろん、シャッタ部分を担当したシャッタ施工業者や、システムを導入した旧太陽神戸銀行には、「シャッタの自動開閉システム」の具体的構成が開示されたかも知れないが、右シャッタ施工業者や旧太陽神戸銀行は、関係者であって、不特定多数のものであるとは言い切れない。

そうすると、「シャッタの自動開閉システム」が、旧太陽神戸銀行巣鴨支店に設置、運用された事実のみをもって、本件特許発明が、「公知」あるいは「公用」であると認めることはできない。

以上のとおりであるから、公知公用を理由とする被告らの主張は、理由がない。

二  構成要件Cについて

1  構成要件Cは、開放時刻、閉鎖時刻になると、制御装置がシャッタに開放動作、閉鎖動作を行わせるということを述べているにすぎず、人を閉じこめないために複雑な操作を必要とする閉鎖動作の具体的な内容は構成要件DないしFまでに規定されているから、閉鎖時刻になると閉鎖動作を開始する装置であれば構成要件Cに該当するということができる。

イ号装置においては、閉鎖時刻が到来すると、検知器が検索を始め、一〇秒間検索の結果、検知信号がないときは閉鎖動作を始め、検知信号の出力があれば閉鎖動作の起動を禁止するから、構成要件Cに該当するものである。

2  ところで、閉鎖時刻において、検知信号が出力されていない場合において閉鎖動作を行うことは、検知信号が出力されている場合について規定する構成要件Dの反対解釈から明らかであるが、構成要件Cに記載されていると解することもでき、との点に関して、被告らは、イ号装置においては、閉鎖時刻が到来しても、一次検索が開始されるにすぎず、シャッタは閉鎖動作を行わないから、構成要件Cを充足しない旨主張するので、検討する。

構成要件Cには、「シャッタの開閉時刻が記憶された記憶要素を備えその記憶された…閉鎖時刻」と記載されていることからすると、「閉鎖時刻」とは、「記憶要素に記憶されたシャッタの閉鎖時刻」のことであると考えられる。そして、この「閉鎖時刻」にシャッタの閉鎖動作(閉店動作)が行われることになるが、シャッタの閉鎖動作が瞬時に完了するものではないことは明らかであるから、「閉鎖時刻」にシャッタに閉鎖動作を行わせるといっても、「閉鎖時刻」の一瞬に閉鎖動作が開始、完了するのではなく、「閉鎖時刻」は、シャッタの一連の閉鎖動作(閉店動作)が開始する基準となる時刻を意味するものであると考えられる。

したがって、実施例のように、閉鎖時刻の直前から検知信号の出力の有無を検索し、閉鎖時刻に検知信号が出力されていないときに直ちに閉鎖動作を開始する構成が、本件特許発明の技術的範囲に属することは明らかであるが、本件特許発明の技術的範囲は、その場合だけに限定されるのではないことも明らかである。

すなわち、人の有無の検出に時間がかかるセンサを用いる場合でも、閉鎖時刻にセンサの駆動を開始し、センサの検索時間が経過した後、検索結果を得、その出力信号に応じて、どのようなシャッタ制御を行うべきか判定する構成としても、閉鎖時刻に一連のシャッタ閉鎖動作に係る動作が開始されているのであるから、何ら問題はないと考えられる。つまり、本件特許発明においては、閉鎖時刻の前からセンサを駆動し、閉鎖時刻の瞬間にシャッタ制御を開始する必然性はなく、ましてや、閉鎖時刻に「直ちに」閉鎖動作を開始する必然性もないと考えられる。

そうすると、イ号装置においても、閉鎖時刻に、閉鎖動作の前提となる一次検索という動作を行う構成を採用しているのであり、閉鎖時刻に、一連の閉鎖動作が開始するという構成を有しているのであるから、構成要件Cに該当するということができる。

3  ところで、被告らは、本件特許発明では、検索時間を設定して人のいないことを検索するという技術思想が明示されていないし、一〇秒検索はパッシブセンサの特徴や機能ではなく、イ号装置の特徴ないし機能そのものであると主張するところ、これに対して、原告は、イ号装置における残留者検索のための検索時間の付加は、人の検知素子としてパッシブセンサを使用したことによって当然考慮された設計的事項であり、本件特許出願当時、当然の技術であって、本件特許発明の技術的範囲に含まれる旨主張するので、この点について、検討する。

本件特許発明における検索用センサは、特許請求の範囲に「事業所内の人の有無を検索し人を検知した時に検知信号を出力する検索用センサ」と記載されており、人を検知したとき、すなわち、人が「いる」と判定したとき、検知信号を出力する検索用センサであることを要する。そして、検索用センサの例として、詳細な説明には、「熱線センサ、赤外線センサ、超音波センサ、マイクロ波センサ等からなる検索用センサ」と記載されているところ、右センサの内、直接的に人の有無を検索できるセンサであれば、そのままで検索の目的を達することが可能であるが、人の動きを検出する特性を有するセンサ(熱線センサに分類されるパッシブセンサは、そのような特性を有する。)を用いる場合には、人が動いている場合だけでなく、静止しているときも検出できるような付加的構成を採用する必要がある。

したがって、本件特許発明の検索用センサをパッシブセンサから構成するには、パッシブセンサをそのまま使用するのではなく、何らかの構成を付加して、人が静止している場合に、誤って「いない」と判定することがないようにすることは、当業者が当然考慮することであるということができる。

そして、どのような構成を付加するかは、検出誤差の程度、要検出時間、費用等を考慮して、出願当時の周知慣用技術が適宜選択されるものと考えられるが、パッシブセンサを用いて、人の「いる」、「いない」を検出する際、検索時間を付加して検出精度を向上させることは、本件特許出願前に、被告綜合警備が旧太陽神戸銀行巣鴨支店に設置し運用していたシャッタの自動開閉システムにおいて、既に採用ざれていたように、周知慣用技術であったと考えられるから、残留者検出のために検索時間を付加したものも、本件特許発明の検索用センサに含まれるものと考えられる。

検索用センサとして、パッシブセンサを利用する場合に、五秒間とか一〇秒間といった検索時間を設ける方法は、パッシブセンサの人の有無のうちの無に関する検知確率が低いという欠点を補うための慣用技術であるから、右慣用技術を採用したことによって生じるシャッタ開閉動作の相違は、イ号装置の構成要件該当性の判断に当たっては、これを取り除いて検討すべきであり、この点からも、イ号装置は、構成要件Cを充足しているということができる。

被告らは、イ号装置における、一〇秒間検索は、パッシブセンサの特徴ないし機能とは全く関係がなく、イ号装置のシャッタの開閉システムの特徴ないし機能そのものである、として、一〇秒間検索は、イ号装置独自の構成である旨の主張もしている。しかしながら、前記のとおり、イ号装置における検索時間の付加は、パッシブセンサの出力が消失しても、それだけでは、残留者がいないと直ちに判定することができないという、パッシブセンサの有する周知の特性(欠点)に起因する問題を回避するための構成であって、シャッタの開閉制御機構(シャッタ制御盤)と有機的に関連する構成ではないと考えられるから、被告らの主張を採用することはできない。

4  なお、被告らは、本件特許発明は、「閉鎖時刻には閉鎖動作を行わせず、五秒(一〇秒)連続して検知信号が出力しないことを確認してから閉鎖動作を行わせる」という構成を意識的に除外している。」旨主張する。

しかしながら、意識的除外であると認めるためには、意見書、答弁書等において、意識的に除外した事実が立証される必要があるところ、明細書(甲一)には、本件特許発明のセンサとして、熱線センサ(パッシブセンサ)を利用してよいことは記載されているが、「パッシブセンサを利用するにあたり検索時間を設けるという先行技術を採用してはならない。」と記載されていないことは明らかである。

また、特許庁における審査段階で、原告が、意見書、あるいは、異議答弁書等において、「パッシブセンサを利用するにあたり検索時間を設けるいう先行技術を採用してはならない。」と主張した証拠もない。

そうすると、本件特許発明において、「パッシブセンサを利用するにあたり検索時間を設けるという技術」が除外されているということはできないというべきであるから、被告らが主張する意識的除外論は、採用できないというべきである。

三  構成要件Dについて

1  本件特許請求の範囲においては、閉鎖時刻において、検索用センサが検知信号を出力している時に、シャッタの閉鎖動作を途中で停止させて必要に応じて開放動作を行わせることがあるとされているから、閉鎖動作を途中で停止させる前提として、シャッタの閉鎖動作中の時間は「閉鎖時刻において」に含まれるということになる。「閉鎖時刻において」とは、右のように、時間的な幅を有する概念である。

2  「閉鎖時刻において」は、閉鎖動作中の時間を含むことを前提とし、詳細な説明の実施例についての記載を考慮すると、構成要件Dは、閉鎖時刻において、検知信号が出力されたときが、

D1 シャッタが全開状態のときであれば、シャッタの閉鎖動作の起動を禁止し、

D2 シャッタが閉鎖動作中のときであれば、シャッタの閉鎖動作を途中で

停止させて必要に応じて開放動作を行わせる、

以上のD1、D2のいずれかの動作をすることを記載したものであり、D1とD2の動作が同時には起こり得ないことから、両者の関係を「若しくは」という文言を使用して選択的に記載したものであると解される。このように構成要件Dの意味は一義的で明確であり、選択的記載であることは問題とならない。

そして、本件特許発明においては、検知信号が出力された状態に応じてそれぞれの動作をすることが必要とされていることは明らかであり、全開状態で検知信号が出力された場合にも閉鎖動作を禁止せず、閉鎖動作を開始し途中で停止する装置や、全開状態では閉鎖動作を禁止するが、途中で検知信号が出力された場合に停止しない装置は、構成要件に該当しないことになる(「若しくは」を「アンド」と解すべきであるとの被告らの主張は、両方の動作をすべきことが要件とされているとの点を主張するものとして正当である。)。

イ号装置は、イ号目録(3)の<2>、(4)のとおり、検知信号の出力が、シャッタが全開状態の場合には閉指令信号を出力せず、閉鎖動作を禁止し、閉鎖動作開始後閉鎖動作中に検知信号を出力したときは、閉鎖動作を停止し、その後開放動作をさせるから、構成要件Dを充足する。

3  被告らは、イ号装置では、検知信号が短時間消失することがあっても、その短時間未満の小刻みな間隔で検出信号が出力すれば、シャッタ閉鎖動作の起動禁止の状態が続くので、このシャッタ閉鎖動作の起動禁止が(本件特許発明の)「検知信号を出力しているとき」に限られないこととなり「検知信号を出力している時には前記シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ」という要件を具備しないと主張する。

しかしながら、前記のとおり、両者の相違は、検索用センサとしてパッシブセンサを利用する際、検索時間を付加することによって発生するものであるところ、右検索時間の付加という技術は、本件特許の出願時に一般的技術であったものと考えられるから、イ号装置の構成要件該当性の判断に際しては、右一般的技術を除外して判断すべきである。しかるとき、本件特許発明もイ号装置も、「検知信号を出力している時には前記シャッタの閉鎖動作の起動を禁止させ」る構成であるということができるから、右相違をもって、構成要件非該当の理由とすることはできない。

4  また、被告らは、イ号装置においては、最初の一〇秒検索時に、検知信号を出力した場合にはシャッタ閉鎖指令信号を出力せず、その後一〇秒検索を何度も繰り返しても検知信号が消失しなければ、シャッタ閉鎖指令信号は出力されないので、「閉鎖時刻」以後になって初めて閉指令信号が出力される場合があると主張するが、本件特許発明の構成要件Dは、閉鎖時刻においてとられるべき動作について述べているにすぎず、その後の動作について何ら限定していないから、イ号装置が「閉鎖時刻において」以降にどのような動作をするかは、構成要件Dの充足性の判断を左右しない。

四  構成要件Eについて

1(一)  まず、「一定時間」の意味について検討するに、実施例では、「一定時間」の起点、および、長さは説明されていない。終点を推測させる唯一の記載は、「本体収納盤40の接続端子C12に設定された一定時間以上残留者検知信号が与えられると換言すれば正面シャッタ9が指定時刻(例えば一八時〇〇分)までに閉鎖動作を完了しないと、…」である。

この記載において、「指定時刻までに閉鎖動作が完了しない」場合とは、

ⅰ 閉鎖動作が開始しないで、指定時刻に、シャッタが開放状態のままにある場合

ⅱ 閉鎖動作は開始したが、指定時刻には、閉鎖途中であり、シャッタが半開き状態にある場合

の二つの場合が考えられる。

開放状態のままにある場合は、指定時刻までシャッタ閉鎖信号が与えられない、したがって、検知信号が指定時刻まで継続する場合であるから、「一定時間」の終点は、指定時刻以降であると考えられる。

他方、半開き状態にある場合は、指定時刻の直前(シャッタが閉鎖するに要する時間より短い時間だけ前)に、シャッタ閉鎖信号が与えられていることから、検知信号も指定時刻の前に消失している。この場合、「一定時間」の終点は、指定時刻の前後のいずれでも問題はない。

そうすると、「一定時間」の終点は、少なくとも、指定時刻以降であると考えられる。

この点に関し、被告らは、指定時刻以降は電源が切られ、シャッタが作動しなくなり、閉鎖動作を行うことができないから、「一定時間」の終期は、指定時刻を越えることはない旨主張する。確かに、実施例では、指定時刻の後、電源が切られる構成となっているが、電源をどの段階で切るかは、本件特許発明の構成要件ではなく、実施例のとおりに電源を切る必要がないことは、当業者には明らかであると考えられるから、被告らの主張は、理由がない。

次に、「一定時間」の起点について、原告は、閉鎖時刻の他に、閉鎖動作が途中で止まった時点でもよい旨主張するが、「一定時間」の起点が閉鎖動作が止まった時点であるとすると、閉鎖時刻から閉鎖動作が途中で止まる時点までの間は、「一定時間」ではないことになる。

そうすると、被告らが主張するように、閉鎖時刻前から出力していた検知信号が閉鎖時刻後に消失した場合は、閉鎖動作が途中で止まったわけではないので、「一定時間」が設定されていないことになり、システムは、「一定時間」以内に検知信号が消失したと判定することができないから、シャッタ閉鎖信号が与えちれないことになる。そうすると、この場合には、検知信号が消失しているのに、シャッタ閉鎖動作が開始しないこととなり、不合理である。

したがって、「一定時間」の起点は、閉鎖時刻であり、終点は、指定時刻以降であるとするのが、本件発明の作用、実施例の記載等からみて、最も合理的であると考えられる。

「一定時間」の起点、終点をこのように解することにより、閉鎖時刻に「一定時間」が始まるので、「一定時間」以内に検知信号が消失すれば、シャッタ閉鎖動作が開始するとともに、逆に、「一定時間」以上検知信号が継続すれば指定時刻に閉鎖動作を完了しないという本件特許発明の作用が矛盾なく得られるものと考えられる。

(二)  そして、イ号装置は、閉鎖時刻から最初に一〇秒間検索した後、検知信号が出力されていなければ、第一回目の閉指令信号を出すが、閉指令信号は、二秒オン、一八秒オフを九回繰り返し、最後に二秒間オン(オンの合計は一〇回)というように出力されるのであるから、最も短い場合で、閉指令信号は、閉鎖時刻から一九二秒後に出されることになる。

ところで、イ号目録(7)によると閉鎖時刻から一九〇秒経過した時刻にシャッタが全閉していないときには、警報を監視センターに送信するとされており、指定時刻は一九〇秒後に設定されているところ、前記のとおり閉鎖時刻から一九二秒までは検索用センサが検知信号を消失したときは閉指令信号が出力される関係にあるから、イ号装置における一定時間は一九二秒と設定されているということができ、構成要件Eを充足する。

2  被告らは、イ号装置は、閉鎖時刻以降、検知信号が小刻みに出力された場合、閉鎖時刻より遥かに遅れて閉鎖動作を行うことがあり得るから、「(閉鎖時刻を始期とする)一定時間以内に前記検索用センサが検知信号を消失した時には前記シャッタに閉鎖動作を行わせ」という要件を充足しない旨主張するが、本件構成要件Eは、一定時間内において、検知信号が消失した場合のことを規定しているにすぎず、一定時間以後同様のことがあるかどうかについては、なんら触れていないから、被告ら主張のようなことがあるとしても、構成要件Eに該当することを否定することはできない。

3  次に、被告らは、イ号装置においては、検知信号が消失したとしても、直ちにシャッタが閉鎖動作を開始することはなく、シャッタ閉指令信号の出力によって、閉鎖動作が開始するから、構成要件Eを充足しない旨主張するので、この点について検討する。

構成要件Eは、「検知信号を消失した時には前記シャッタに閉鎖動作を行わせ」とされているから、これを文理的に解すると、「検知信号を消失した時」以降に「シャッタに閉鎖動作を行わせる」意味であり、「検知信号を消失した時」と「シャッタに閉鎖動作を行わせる時」との時間的関係(同時性とか時間差)については、厳密に規定されているわけではないと考えるのが相当である。

もとより、検知信号の消失時点とシャッタ閉鎖の開始時点との間が短ければ短いほど、残留者がいなくなった後、シャッタ閉鎖動作の開始が早く行われるから、残留者がいなくなったのに、いつまでもシャッタが開放状態のままで、再度顧客がサービスコーナーに入るというような事態を防止する上で効果的であることは確かである。

しかしながら、本件特許発明の目的、作用効果からみると、本件特許発明においては、検知信号が消失、すなわち、残留者が退出すれば、シャッタを閉鎖することが必須なのであって、検知信号の消失時点とシャッタ閉鎖の開始時点とが一致しなければならない理由はないというべきである。検知信号が消失したことを認識してから、シャッタ閉鎖動作の開始までにどの程度の時間的遅れが許容されるかは、機器制御の安全度を考慮して設定されるものと考えられるのであり、被告ら主張のように、検知信号の消失後、「直ちに」、シャッタ閉鎖を開始してもよいであろうし、検知信号の消失後、残留者がサービスコーナーから十分離れた時点でシャッタ閉鎖を開始しても問題はないと考えられる。

したがって、本件明細書には、「検知信号が消失すれば直ちに閉鎖動作を行わせる」技術思想のみが開示され、それ以外の技術思想は意識的に除外されているという被告らの主張を採用することはできない。

4  また、被告らは、イ号装置においては、シャッタの閉鎖動作中に検知信号を出力すると、開放動作を行わせ、シャッタが全開した後、最初の閉指令信号で再び閉鎖動作を行い、閉鎖途中で検知信号出力すると、またも上昇し、というように、シャッタの上下動を繰り返す構成であるから、本件特許発明の構成要件Eを充足しない旨主張する。

被告らの右主張は、構成要件Eには、検知信号が消失し、閉鎖動作が始まった後は、その途中で検知信号が出力された場合にも、閉鎖動作がそのまま進み、シャッタは全閉状態になるとの構成が記載されているとの前提で、そのような場合にシャッタの上下動を繰り返すイ号装置は、構成要件Eを充足しないというにあると解することができる。

しかしながら、構成要件Eは、その文言からすると、構成要件Dによって全開状態にあるシャッタが、検知信号が消失すれば閉鎖動作を開始することを規定しているのみであり、その途中で検知信号が出力された場合の動作についてはなんら記載されていないといわざるを得ないのであって、被告ら主張のごとく、途中で検知信号が出力された場合にも閉鎖動作をそのまま進めるとの構成は記載されていない。

かえって、発明の詳細な説明には、閉鎖中のシャッタを三回開放するという従来技術の構成が記載されており、シャッタの上下動を複数回繰り返すことは従来技術であったと認められるところ、本件発明の最も重要な構成要件はFであり、DとEは従来技術であると考えれば、従来技術に属するDとEをあえて一回に限る理由はないこと、本件発明の目的が客を閉じこめないことにあることからすれば、構成要件Eで閉鎖動作中に検知信号が出力された場合には再度開放する構成が想定されていると思われること、実施例によると、構成要件Dの閉鎖動作中の検知信号出力による閉鎖動作の中止は、閉鎖動作中に検知信号の出力があれば、制御装置はシャッタ制御盤にシャッタの閉鎖動作の停止を命令するという制御関係になっており、閉鎖動作中であることと、その間に検知信号が出力されることの二つの条件が満たされれば起こり得るのであって、実施例においてはシャッタの上下動が起こることになっていること、以上の事実を総合すると、本件特許発明においては、シャッタが上下動する構成を排除していないし、被告らの主張するような閉鎖動作中に検知信号が出力されても閉鎖動作をそのまま進めるとの構成は想定されていないと認められる。

以上によれば、被告らの主張は、イ号装置が本件特許発明の構成要件に加えて、これに書かれていない構成を有するとの主張にすぎないこととなる。

しかしながら、イ号装置が本件発明の技術的範囲に属するか否かは、イ号装置が本件特許発明の構成要件をすべて充足するか否かによって判断されるのであり、イ号装置が、本件特許発明の構成要件以外の要件も具備するか否かは、直接関係がなく、イ号装置が、本件特許発明の構成要件に加えて、他の構成要件も有するとしても、利用発明として、本件特許発明の技術的範囲に属すことは、明らかである。

五  構成要件Fについて

被告らは、本件特許発明は、所定時間内でも指定時刻以後であればシャッタの電源を切ってしまうので、開放動作を行わないのに対して、イ号装置においては、シャッタ全閉後三分以内に検知信号出力すると、指定時刻に関係なく、シャッタに開放動作を行わせるという構成であるから、「所定時間内に…開放動作を行わせる」という要件(構成要件F)を具備しない旨主張する。

しかしながら、前記のとおり、指定時刻の後、電源が切られるというのは、本件特許発明の構成要件ではない。そして、「所定時間」の始期は、特許請求の範囲の記載から明らかなとおり、「シャッタの閉鎖完了」時であるところ、イ号装置においても、シャッタ全閉後三分以内に検知信号出力すると、シャッタに開放動作を行わせるといら構成であるから、構成要件Fに該当することは当然である。

六  構成要件Gについて

被告らは、本件特許発明は、指定時刻にはシャッタの電源を切り、残留者検知信号を侵入者検知信号に切り換えるという構成であるのに対し、イ号装置は、指定時刻に関係なく、シャッタの開閉動作を行い、残留者検知信号を出力するという構成であるから、本件特許発明の「指定時刻までに開放及び閉鎖完了しなかった場合に」という構成要件Gを具備しない旨主張する。

しかしながら、前記のとおり、指定時刻の後、電源が切られ、残留者検知信号が侵入者検知信号に切り換わるというのは、本件特許発明の構成要件ではなく、本件特許発明において、指定時刻以後、どのような制御を行わせるかは、設計的事項にすぎないというべきである。

そして、イ号装置においても、指定時刻までにシャッタが全閉しないときは、監視センタに警報を送信するという構成であるから、本件特許発明の構成要件Gを充足する。

七  損害について

1  以上のとおり、イ号装置は、本件特許発明の技術的範囲に属するということができる。

2  原告が、本件特許権の実施品であるシャッタの自動開閉システムを販売していること、及び、被告らが、遅くとも平成元年一一月二九日からイ号装置を使用していることは、当事者間に争いがない。

3  そして、本件特許発明の内容や技術的価値、開発程度、研究開発に要したであろう費用、その実施によって見込まれる利益等を総合考慮すると、本件特許権の使用料は、一か月当たり金六〇〇〇円を下らないものと認めることができる。

八  以上判示したところによれば、原告の本訴請求は、いずれも理由があるから、これを認容することとし、訴訟費用の負担について、民事訴訟法六一条、六五条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

なお、仮執行宣言は、相当でないから、これを付さないこととする。

(裁判長裁判官 野田武明 裁判官 森義之 裁判官 鈴木和典)

イ号目録

1 構造の説明

(1) CDコーナー客室道路側出入口にシャッタが一面、CDコーナー客室天井にパッシブセンサが4個、CDコーナー機械室にS-815制御装置(以下、「アマンド制御装置」という)が1台、CDコーナー客室天井内にシャッタ制御盤が1台設置されている。

(2) アマンド制御装置はシャッタ制御盤およびパッラブセンサと接続され、シャッタ制御盤はシャッタ開閉機と接続されている。

(3) アマンド制御装置は、制御部、記憶部、制御リレー部、感知器動作検出部、操作・表示部、回線対応部等とから構成されている。

(4) シャッタ制御盤からアマンド制御装置への入力信号は、シャッタが全開、全閉したこまた、アマンド制御装置からシャッタ制御盤への出力信号は、開店時に出力されるシャッタ開指令信号、閉店時に出力されるシャッタ閉指令信号、停止指令信号、パッシブセンサから入力した検知信号をシャッタ制御盤へ出力するパッシブセンサ作動信号である。

2 作用の説明

(1) アマンド制御装置は、同記憶部により開閉店制御プログラムを記憶し、内蔵の時計が開閉店制御プログラムに記憶された時刻と一致した時に、指定された機器の制御(シャッタの開/閉、照明の点/滅等)を行う。

(2) アマンド制御装置は、例えば08:44になるとシャッタを開放するようシャッタ開指令信号によりシャッタ制御盤を制御し、シャッタ制御盤は、シャッタに開放動作を行わせる。

(3) アマンド制御装置は、

<1>19:00(時刻および時間の設定は平成6年2月3日実施平成5年(モ)第967号証拠保全時を基準とする。以下同じ)に始まる閉店告知が終了する19:05の時刻(シャッタの閉鎖時刻)になると、10秒間の残留者検索を開始し、その間にパッシブセンサからの検知信号の出力がないときは、シャッタ閉指令信号をシャッタ制御盤に出力する。アマンド制御装置からのシャッタ閉指令信号を受け取ったシャッタ制御盤はシャッタに閉鎖動作を行わせる。

<2>10秒間の残留者検索中にパッシブセンサが残留者を検知して(パッシブセンサの赤ランプ点灯)アマンド制御装置に検知信号を出力したときは、アマンド制御装置はシャッタの閉鎖動作の起動を禁止するため、シャッタ閉指令信号をシャッタ制御盤に出力しないので、シャッタ制御盤はシャッタに閉鎖動作を行わせない。

そして、検知信号が消失してから再度10秒間残留者を検索し、2回目の10秒間検索でも検知信号が出力された時は、検知信号が出力し終わってから再々度の10秒間検索を行うというように、10秒間検索中に検知信号が出力されるかぎりこの10秒間検索は何度も繰り返される。右繰り返しがなされている間、アマンド制御装置は、シャッタ制御盤に、シャッタ閉指令信号を出力しないので、シャッタ制御盤はシャッタに閉鎖動作を行わせない。

10秒間の検索中に検知信号が出力されなかった時、アマンド制御装置はシャッタ制御盤にシャッタ閉指令信号を出力する。アマンド制御装置からのシャッタ閉指令信号を受け取ったシャッタ制御盤はシャッタに閉鎖動作を行わせる。

<3><1>と<2>のアマンド制御装置のシャッタ閉指令信号は、2秒間オン、18秒間オフを9回繰り返し、最後に2秒間オン(オンの合計は10回)というように出力されるので、シャッタ閉指令信号の出力開始から終了まで182秒間を要する。また、いったんシャッタ閉指令信号が出力されると、シャッタの閉鎖が完了しても、また検索用センサの検知信号が出力されても、計10回の閉指令信号を出力し続ける。

(4) シャッタ閉鎖動作開始後、シャッタの閉鎖動作中に、パッシブセンサが残留者を検知してアマンド制御装置に検知信号を出力し、アマンド制御装置がシャッタ制御盤に対してパッシブセンサ作動信号を出力すると、シャッタ制御盤は、シャッタを停止させ、その約1秒後にシャッタに開放動作を行わせ、シャッタは全開する。

(5) 右開放動作によるシャッタ全開完了時が、前記(3)の<3>のシャッタ閉指令信号出力開始時より182秒以内であって、パッシブセンサ作動信号が出力されていないときは、前記(3)の<3>のシャッタ閉指令信号により、シャッタ制御盤は、シャッタに閉鎖動作を行わせる。

(6) シャッタ全閉後、3分以内にパッシブセンサが残留者を検知して、アマンド制御装置に検知信号を出力し、アマンド制御装置がシャッタ制御盤に対して、パッシブセンサ作動信号を出力すると、シャッタ制御盤は、シャッタに開放動作を行わせ、シャッタは全開する。

(7) アマンド制御装置は、前記(2)において、シャッタが全開しないとき、前記(3)、(4)、(5)、(6)において、指定時刻(シャッタ閉鎖時刻から190秒経過した時刻)までにシャッタが全閉していないときは、警報を監視センタに送信する。

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